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認知バグのコードリファレンスと、悪質インフルエンサーが多用するテクニックの定義集。

各バグの「▸ レポートを見る」リンクから、実際の事件分析に飛べます。 用語の意味が分からない方はこちら →

脳のバグ(CVE相当)

BUG-001
確証バイアス Confirmation Bias

自分の既存の信念や仮説を支持する情報を優先的に探し、矛盾する情報を無視・過小評価する認知の傾向。信念が強いほど作動しやすく、反証を提示されると逆に信念が強化される「バックファイア効果」を伴うことがある。

悪用可能性: 9/10 影響範囲: 8/10 検出難度: 9/10
BUG-002
権威バイアス Authority Bias

権威があると認識された人物・機関の意見や指示を、内容を批判的に検討せずに受け入れる傾向。権威の外見(白衣、学位、肩書き、自信に満ちた話し方)だけで発動し、その分野の実際の専門性とは無関係に機能する。

悪用可能性: 8/10 影響範囲: 7/10 検出難度: 7/10
BUG-003
ハロー効果 Halo Effect

ある人物・ブランドの一つの優れた特性が、他のすべての特性に対する評価を引き上げる認知バイアス。外見が魅力的・カリスマ的な人物の発言は、その内容の正確性とは無関係に信頼されやすい。カルト的指導者の形成に強く関与する。

悪用可能性: 8/10 影響範囲: 7/10 検出難度: 8/10
BUG-004
サンクコスト効果 Sunk Cost Fallacy

すでに回収不可能なコスト(金銭・時間・感情的投資)を根拠に、合理的には撤退すべき行動を継続する傾向。高額セミナー・カルト・MLMが段階的に投資を増やさせる設計(フット・イン・ザ・ドア)と組み合わさると、離脱コストが指数関数的に上昇する。

悪用可能性: 9/10 影響範囲: 8/10 検出難度: 8/10
BUG-005
バンドワゴン効果 Bandwagon Effect

多数の人が採用・支持しているという事実だけを根拠に、その信念・行動を正しいと判断する傾向。「みんながやっている」という社会的証明はその主張の真偽とは無関係だが、認知上の近道として強力に機能する。SNSにおける拡散・いいね数・フォロワー数が主な悪用媒体。

悪用可能性: 8/10 影響範囲: 7/10 検出難度: 6/10
BUG-006
後知恵バイアス Hindsight Bias

事後に「最初からそうなるとわかっていた」と感じる傾向。偶発的な成功体験(プラシーボ、自然回復)を特定の介入の効果として誤帰属させる。「飲んだら治った」は因果ではなく相関に過ぎないが、強力な体験として記憶に刻まれる。

悪用可能性: 7/10 影響範囲: 7/10 検出難度: 8/10
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BUG-007
アポフェニア(パターン過検出) Apophenia / Pattern Overdetection

無関係な事象の間に意味のある関連・パターンを見出す傾向。偶然の一致を「予言的中」「サインの存在」として解釈する。陰謀論・スピリチュアルの核心メカニズム。点を繋げたくなる衝動は人間に深く組み込まれており、過去には捕食者の動きを察知するために有用だった。

悪用可能性: 8/10 影響範囲: 7/10 検出難度: 9/10
BUG-008
ナチュラリズム誤謬 Appeal to Nature

「自然なもの=善・安全・正しい」「人工的なもの=悪・危険・間違い」という誤った二項対立。砒素も水銀も「天然」だが致死性がある。合成ビタミンCは天然のものと分子構造が同一だが「化学合成」として忌避される。オーガニック原理主義・自然療法信仰の基盤バグ。

悪用可能性: 6/10 影響範囲: 6/10 検出難度: 7/10
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BUG-009
サイエンスウォッシング(技術的権威の借用) Science Washing

「量子」「波動」「分子」「エネルギー」など科学的に聞こえる用語を、実際の科学的文脈から切り離して意味不明な形で使用することで、主張に科学的正当性があるかのような印象を与える手法。科学的外観と科学的内実のギャップが検出困難度を高める。

悪用可能性: 7/10 影響範囲: 8/10 検出難度: 9/10
BUG-010
共有精神病(フォリ・ア・ドゥ) Shared Psychosis / Folie à Deux

精神的に強い影響力を持つ人物(プライマリー)の妄想的信念が、密接な関係にある他者(セカンダリー)に伝染する現象。カルト・閉鎖的コミュニティで発生しやすい。集団規模になると「フォリ・ア・マッス(集団精神病)」と呼ばれる。孤立化(BUG-016)と組み合わさると急速に進行する。

悪用可能性: 8/10 影響範囲: 9/10 検出難度: 9/10
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BUG-011
DARVO(否定・攻撃・被害者の反転) DARVO — Deny, Attack, Reverse Victim and Offender

加害者が責任追及された際に用いる三段防御。①否定(「そんなことはしていない」)②攻撃(「あなたこそ問題だ」)③被害者ポジションへの反転(「私が被害を受けている」)の順で展開する。NPD保有者が最も頻繁に使用するパターン。批判を封じ込め、追及者を加害者に見せる効果がある。

悪用可能性: 9/10 影響範囲: 8/10 検出難度: 7/10
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BUG-012
ラブボミング Love Bombing

ターゲットに対して過剰な称賛・愛情・関心・特別扱いを短期間に集中投下する手法。ターゲットは「この人は特別だ」「この集団は居場所だ」と感じ、強い依存・忠誠心・義務感が形成される。NPDの「理想化フェーズ」の核心。カルト・マルチ・詐欺ロマンスで広く使われる。

悪用可能性: 9/10 影響範囲: 9/10 検出難度: 9/10
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BUG-013
ガスライティング脆弱性 Gaslighting Susceptibility

長期的な関係・権威関係・孤立状態において、他者からの継続的な現実の書き換えに対する抵抗力が低下する状態。「あなたの記憶が間違っている」「あなたは過敏だ」を繰り返し受けることで、自己の知覚・判断への信頼が損なわれ、操作者への依存が深まる。

悪用可能性: 8/10 影響範囲: 9/10 検出難度: 10/10
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BUG-014
フット・イン・ザ・ドア(段階的服従誘導) Foot-in-the-Door

小さな要求への同意が、より大きな要求への同意確率を高める心理現象。「一貫性の原理」と「自己知覚理論」が基盤。高額セミナー・カルトは無料体験→低額講座→高額コース→全財産投入という段階的エスカレーションを設計する。各ステップでサンクコスト(BUG-004)が蓄積される。

悪用可能性: 9/10 影響範囲: 8/10 検出難度: 9/10
BUG-015
認知的不協和の解消 Cognitive Dissonance Resolution

自分の信念・行動・価値観の間に矛盾(不協和)が生じたとき、その不快感を解消するために、現実や行動を変えるのではなく信念を書き換えるバグ。矛盾を指摘された際に根拠なく信念を強化し、反証への抵抗が高まる。投資額・コミット量が大きいほど作動しやすい。

悪用可能性: 9/10 影響範囲: 9/10 検出難度: 10/10
BUG-016
孤立化脆弱性 Isolation Vulnerability

外部の支援ネットワーク(家族・友人・反対意見)から切り離されることで、操作者の世界観への依存が急増する状態。カルトは入信後に「外部の人間は理解できない・危険だ」と教え込み、脱退のコストを最大化する。孤立化が完成するとBUG-010(共有精神病)が加速する。

悪用可能性: 9/10 影響範囲: 10/10 検出難度: 8/10
BUG-017
バーナム効果 Barnum Effect / Forer Effect

誰にでも当てはまる曖昧で一般的な記述を、自分だけへの正確な洞察と解釈するバグ。占星術・血液型診断・タロット・性格テストが機能する主要メカニズム。「あなたは時に自信家だが内心は不安を感じることもある」という記述は地球上のほぼ全員に当てはまる。

悪用可能性: 9/10 影響範囲: 7/10 検出難度: 8/10
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BUG-018
グルー崇拝カスケード Guru Halo Cascade

カリスマ的指導者への服従が段階的・累積的に深まり、最終的に批判的評価能力を喪失するバグ。ハロー効果(BUG-003)の組織的・時間的な拡大版。一度「この人は特別だ」という初期判断が形成されると、以後の言動のすべてが同じフィルターで再解釈される。反証が提示されるほど崇拝が強化される逆説を伴う。

悪用可能性: 9/10 影響範囲: 10/10 検出難度: 9/10
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BUG-019
感情的推論 Emotional Reasoning

「感動した=真実だ」「怖い=危険だ」「信じたい=正しい」という形で、感情的な確信を客観的証拠の代替として使うバグ。疑似科学セミナーにおける「体験して感じた変化」が、介入効果の証拠として機能するのはこのバグによる。CBT(認知行動療法)ではこれを最も基本的な認知の歪みとして扱う。

悪用可能性: 8/10 影響範囲: 8/10 検出難度: 9/10
BUG-020
段階的正常化 Gradual Normalization / Psychic Numbing

段階的にエスカレートする要求・状況・環境の変化を「普通」と認識し、異常を異常として認識できなくなるバグ。カルトの段階的コミット誘導(BUG-014)の受容側メカニズム。最初は異常に見えたことが、慣れによって参照点が書き換えられ、新たな「普通」になる。ゆでガエル現象の認知的説明。

悪用可能性: 8/10 影響範囲: 9/10 検出難度: 10/10
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操作テクニック

NPD・カルト操作

DARVO Deny, Attack, Reverse Victim and Offender

批判・追及に対してNPD保有者が用いる三段防御パターン。①Deny(「そんなことはしていない」と否定)②Attack(「あなたこそ問題だ」と攻撃)③Reverse(「私が被害者だ」と立場を反転)。批判者を沈黙させ、外部からの評価を逆転させる効果がある。

ラブボミング Love Bombing

ターゲットに対して過剰な称賛・贈り物・連絡・特別扱いを短期間に集中させる手口。「あなたは特別だ」という感覚を人工的に作り出し、強い情緒的依存を形成する。NPDの「理想化フェーズ」であり、後の「脱価値化フェーズ」(冷淡化・批判・無視)の伏線となる。

NPD・加害者プロファイル

グランジオシティ(誇大性) Grandiosity

自己の重要性・能力・特別さについての誇張された感覚。自己愛性パーソナリティ障害(NPD)の中核症状の一つ。疑似科学・カルトの「仕掛け人」に頻繁に見られる特性で、「自分だけが真実を知っている」「自分には特別な使命がある」という確信として現れる。グランジオシティを持つ人物は、反証を「理解できない人間の限界」として処理するため、訂正が極めて困難だ。

心理メカニズム

認知的不協和 Cognitive Dissonance

自分の信念・行動・価値観の間に矛盾が生じたとき、その不快感(不協和)を解消しようとする心理的状態。重要なのは、解消方法として「信念を事実に合わせて変更する」より「事実を信念に合わせて解釈し直す」方が選ばれやすい点だ。カルト・疑似科学への関与が深いほど、より強い不協和が発生し、より強引な解釈の書き換えが発生する。

情報環境操作

エコーチェンバー Echo Chamber

同じ意見・信念を持つ人々のみが集まるコミュニティや情報環境。内部では信念が繰り返し反響・強化され、反証は届かない。SNSのアルゴリズムが自動的に作り出す側面もあるが、カルト・MLMは意図的にクローズドコミュニティを設計してエコーチェンバーを構築する。

操作テクニック

ガスライティング Gaslighting

被害者に対して意図的に誤情報を与えたり、過去の言動を否定したりすることで、相手が自身の記憶・知覚・判断力を疑うように仕向ける心理的操作。被害者は「自分がおかしい」という感覚に陥り、加害者への依存が強まる。NPD(自己愛性人格障害)保有者が最も頻用するテクニックの一つ。

フューチャーフェイキング Future Faking

実現する意図のない将来の約束を使い、相手を現在にコミットさせ続ける操作手法。「もう少し続ければ稼げるようになる」「次のセミナーで必ず開眼する」「修行が進めばあなたにも能力が宿る」——MLM・カルト・詐欺において段階的コミット(BUG-014)を維持するために使われる。目標が達成されることはなく、「もう少し先に」と移動し続ける。

ホバリング(引き戻し工作) Hoovering

カルト・MLM・NPD的人物が、離脱しようとした相手を引き戻すために用いる操作手法の総称。名称は掃除機ブランドHooverから(「吸い込む」行動の比喩)。手法には:急激なラブボンビング再開・「あなたがいないと困る」という罪悪感の植え付け・「もう変わった」という約束・「あなただけに特別な役割がある」という選民意識の再活性化などがある。離脱判断を一度でも保留させることが目的で、その後元の支配関係に戻ることが多い。

擬似科学手口

サイエンスウォッシング Science Washing

「量子」「波動」「ナノ」「分子」など科学用語を、実際の科学的文脈から切り離して無意味または誤った形で使用する手口。主張に科学的な外観を与えることで批判的評価を回避する。水商売・健康詐欺・美容業界で頻発する。

経済的搾取手口

サンクコスト操作 Sunk Cost Manipulation

ターゲットに段階的に投資させることで離脱コストを高め、撤退を心理的に困難にする戦略。高額セミナー・MLM・カルトが意図的に設計する。「ここまでやったのに辞めるのか」という自己正当化が継続を強いる。BUG-004(サンクコスト効果)を意図的に利用する。