ギョレメとカッパドキア:地下20階に及ぶ地下都市と、岩の中の初期キリスト教王国
- 火山灰が固まった凝灰岩の大地に、何千年もかけて侵食と人の手で形成されたカッパドキア。尖塔状の岩(妖精の煙突)が連なる景観の下には、最大20,000人が暮らせる地下都市が複数存在する。ビザンツ帝国時代のキリスト教徒が岩を掘って作ったこれらの地下都市は、アラブ軍の侵攻を避けるための避難施設だった。
- 所在地・時代: トルコ・カッパドキア地方(ネヴシェヒル県)(4〜13世紀(ビザンツ帝国・カッパドキア王国))
- 分類・保全状況: 複合遺産 / 保全状態:良好
- 所在地:
- トルコ・カッパドキア地方(ネヴシェヒル県)
- 遺産分類:
- 複合遺産
- 登録年:
- 1985年
- 保全ステータス:
- 保全状態:良好
火山灰が固まった凝灰岩の大地に、何千年もかけて侵食と人の手で形成されたカッパドキア。尖塔状の岩(妖精の煙突)が連なる景観の下には、最大20,000人が暮らせる地下都市が複数存在する。ビザンツ帝国時代のキリスト教徒が岩を掘って作ったこれらの地下都市は、アラブ軍の侵攻を避けるための避難施設だった。
- 観光増加による侵食と地盤沈下
- 地下水位変化による洞窟の不安定化
遺産の概要
アナトリア中央部、火山活動で形成された広大な凝灰岩台地。侵食により高さ数十mの尖塔状地形(「妖精の煙突」)が形成された。
主要エリア:
- ギョレメ野外博物館: 岩を掘り抜いた修道院・教会群(10〜12世紀)。壁画が保存
- デリンクユ地下都市: 地下8層・深さ85m・最大収容20,000人
- カイマクル地下都市: デリンクユに次ぐ規模
- イフラーラ渓谷: 14km続く渓谷に100以上の岩窟教会
地下都市の設計
デリンクユ地下都市(最大規模)の設備:
| 機能 | 詳細 |
|---|---|
| 居住区 | 各家族に独立した部屋 |
| 教会 | 十字形の礼拝堂(地下深部) |
| 厩 | 家畜を地下に収容 |
| ワイン・ビール醸造 | 農産物の加工設備 |
| 換気シャフト | 地下85mまで新鮮空気を供給 |
| 石の扉 | 直径1.5m・重さ500kgの円形蓋——内側からのみ開閉可 |
この設計は長期籠城を前提としている。アラブ軍の侵攻(7〜10世紀)を避けるための避難施設として整備された。
岩窟教会の壁画
ギョレメの岩窟教会には、ビザンツ様式の壁画が残る。「暗い教会(カランルック・キリセ)」は特に保存状態が良く、11〜12世紀のキリストの生涯・聖人・天使の絵画が鮮やかに残る。
ただし多くの教会では顔の部分が削り取られている——オスマン帝国期、または後のイスラム教徒による「顔への拒絶」。
現在の使われ方
洞窟住居に実際に住んでいる人は現在ほとんどいないが、岩を掘り抜いた洞窟ホテルが多数営業している。「地下都市の中に泊まれる」という現代的な活用が進む。
記録メモ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| UNESCO ID | 357 |
| 登録年 | 1985年 |
| 地下都市の層数 | 最大8層(デリンクユ) |
| 最大収容人数 | 推定20,000人 |
| 岩窟教会数 | 数百か所(ギョレメ周辺) |
| 石の扉の重量 | 約500kg |
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