世界遺産異変
ガラホナイ国立公園:熱帯雨林が亜熱帯の孤島に残す3000万年の奇跡
カナリア諸島のゴメラ島に広がるガラホナイ国立公園は、第三紀(約3000万年前)の月桂樹林がほぼ完全な形で現存する世界的に希少な植生を誇る。かつてヨーロッパや北アフリカの広域を覆っていたこの月桂樹林は、氷河期の気候変動によりほぼ消滅したが、温暖湿潤なゴメラ島の霧の多い山岳地形がその生き残りを可能にした。公園面積の約70%を占めるこの原始的な森は、固有種の宝庫でもあり、生命の多様性と進化の謎を今も静かに語りかけている。