世界遺産異変
カジュラーホー寺院群:「性愛の彫刻」は全体のわずか10%——残り90%が語るチャンデーラ王朝の宇宙観
10〜12世紀にチャンデーラ王朝が建立した85棟の寺院群(現存25棟)。外壁を飾る「ミトゥナ(性愛の彫刻)」が世界的に名高いが、それは全装飾の10%に過ぎない。残る90%は神々・戦士・天女・動物の精緻な浮彫で埋め尽くされる。性愛彫刻の本質は「カーマ・スートラ」が書かれた同時代のヒンドゥー哲学——解脱(モークシャ)に至る四つのプルシャールタの一つとしてカーマを公然と肯定する世界観の石への刻印である。