世界遺産異変
アガベ景観とテキーラの旧工場群:400年かけて作物が国民文化になった生きた遺産
ハリスコ州の火山地帯に広がるブルーアガベの畑と、テキーラ蒸留所群が織りなす農業景観。16世紀にスペイン人が先住民の発酵飲料「プルケ」に蒸留技術を組み合わせたことで誕生したテキーラは、単なる蒸留酒を超え、メキシコの国民的アイデンティティの象徴となった。8〜12年をかけて育つアガベの農業サイクル、タホナ(石臼)を使った伝統的製造工程、そしてテキーラの町に今も残る19〜20世紀の工場建築が、生きた文化的景観として評価されている。