世界遺産異変
エローラ石窟群:20万トンの岩を削り出した、3宗教が同居する垂直の聖域
インド中部デカン高原に刻まれた34の石窟寺院群。仏教・ヒンドゥー教・ジャイナ教という3つの宗教が同じ玄武岩の断崖を同時期に共有しながら彫り続けた奇跡の遺産。中でもカイラーサ神殿(第16窟)は一枚岩の山頂から彫り下げる手法で造られた世界最大の一枚岩建造物であり、推定20万トンの岩石を150年かけて除去した計算になる。高さ32メートル、奥行き83メートルに及ぶ神殿全体が単一の岩盤から切り出された事実は、現代の建築家をも絶句させる。