世界遺産異変
ルーネンバーグ:格子状に刻まれた250年前の植民都市計画の謎
1753年、イギリス植民地政府は現在のノバスコシア州南岸にルーネンバーグを建設した。設計は軍事測量士による厳密な格子状プランに基づき、区画・街区・公共広場がほぼ原設計のまま現在まで継承されている。入植者の多くはドイツ語圏(主にヴュルテンベルクやモンタフォン)から招集されたプロテスタント系移民であり、英仏の植民地競争の狭間でゲルマン系文化がカナダ大西洋岸に独自の色彩景観と建築語彙を刻んだ。19世紀には北米屈指の漁業・造船拠点となり、スクーナー型帆船「ブルーノーズ」の母港として国民的象徴性を持つに至った。多文化移民の融合と計画都市の持続という二つの奇跡が重なる場所である。