世界遺産異変
タドラルト・アカクスの岩壁画:砂漠に封じられた1万2000年の人類史
リビア南西部のサハラ砂漠、タドラルト・アカクス山地に刻まれた岩壁画群は、約1万2000年前から紀元1世紀にわたる人類の記録である。現在は極度の乾燥地帯だが、壁画にはカバ・キリン・ゾウといった熱帯動物が描かれており、かつてこの地が緑豊かなサバンナだったことを証明する。狩猟・農耕・遊牧と変遷する人々の生活様式が時代ごとに異なるスタイルで表現され、気候変動と人類文明の相互作用を視覚的に伝える稀有な文化遺産である。