世界遺産異変
モナーク・バタフライ生物圏保護区:体重0.5gの蝶が年4,500kmを飛び、森を染めるオレンジの奇跡
毎年秋、北アメリカ全土から1億羽以上のオオカバマダラ(モナーク蝶)が、最大4,500kmを飛んでメキシコの山岳森林に集結する。その数は木々をオレンジ色に染め上げるほどだ。驚くべきは、この旅が「記憶を持たない世代」によって行われる点である。渡りを担う個体は、前年に出発した先代が到着したことすら知らない。どのように正確な越冬地を「知る」のか——その仕組みは現代科学でも完全には解明されていない。