アヌラーダプラの聖都:世界最古の記録された生きた木が立つ古代王国の首都
スリランカ最初の王国・アヌラーダプラ王国の首都。高さ122mのジェータヴァナラーマ大塔はかつて世界第3位の高さを誇った。境内には紀元前288年に植えられたブッダガヤの菩提樹の挿し木が今も生きており、世界で最も歴史的記録が確認された生きた木とされる。
- 都市開発による緩衝地帯の侵食
- 観光客の増加による聖域管理の困難
- 地下水汲み上げによる地盤変化
遺産の概要
アヌラーダプラは、スリランカ北中央部に位置する古代都市遺跡だ。紀元前4世紀にスリランカ最初の統一王国・アヌラーダプラ王国の首都として成立し、10世紀のチョーラ朝侵攻による崩壊まで、約1,400年にわたって上座部仏教の宗教的・政治的中心地として機能した。
遺跡には複数の大型仏塔(ダーガバ)、僧院群、浴槽、灌漑施設が残る。最盛期には人口10万人以上を擁したとされ、当時のアジアでも有数の大都市だった。
ジェータヴァナラーマ大塔——かつて世界第3位の高さ
紀元前3世紀に建設が始まったとされるジェータヴァナラーマ大塔(Jetavanaramaya)は、高さ122メートル、直径113メートルの巨大仏塔だ。建設当時、ギザの大ピラミッドとカルナック神殿オベリスクに次ぐ世界第3位の高さを誇っていたとされる。
使用されたレンガの総数は推定9,300万個。内部には釈迦の法衣あるいは帯の断片が封入されているという伝承があり、現在も上座部仏教の信者にとって重要な巡礼地だ。
現在は修復作業が進んでおり、頂部は復元されている。
スリー・マハー菩提樹——世界最古の記録された生きた木
アヌラーダプラの聖域の中でも、最も特異な存在がスリー・マハー菩提樹(Sri Maha Bodhi)だ。
紀元前288年、インドのブッダガヤにある「ブッダが悟りを開いた木(アシュヴァッタの木、聖なるイチジク)」から切り取られた枝が、マウリヤ朝アショーカ王の娘サンガミッタによってスリランカに運ばれ、ここに植えられたとされる。
現在もその木は生きており、仏教寺院の境内で礼拝の対象となっている。植樹の記録が残る木としては世界最古とされ、「世界で最も歴史的記録が確認された生きた木」と呼ばれる。樹齢は2,300年以上。
記録メモ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| UNESCO ID | 200 |
| 登録年 | 1982年 |
| 王国の存続期間 | 紀元前4世紀〜10世紀 |
| ジェータヴァナラーマ大塔 | 高さ122m・直径113m |
| スリー・マハー菩提樹 | 紀元前288年植樹(記録上) |
| 主要遺構 | 仏塔群・僧院群・浴槽・灌漑施設 |