世界遺産異変
チャン・アン:石灰岩の迷宮に封じられた1万年の記憶
ベトナム北部のニン・ビン省に位置するチャン・アン景観複合体は、ベトナム初の複合遺産(自然・文化の両基準で登録)として2014年にユネスコ世界遺産に認定された。内陸部の「陸のハロン湾」とも称されるこの地域は、石灰岩の峰々と水路が複雑に絡み合う絶景を誇る。考古学的調査により、約1万年前の旧石器時代から人類が居住した証拠が発見されており、ベトナム最古の封建王朝・丁朝(968年〜)の首都ホア・ルーも含まれる。自然美と歴史が重なり合う稀有な景観である。